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"Between Sea and Land"
Cyanotype on paper
南フランスの古代ローマ時代に栄えた町、Lattaraの海と陸のあいだに広がる湖沼群で撮影した、水辺で枯れゆく植物を題材にしたサイアノタイプ作品です。
かつてローマとの交易で多くの船が往来していたこの街の海辺は、いまでは渡り鳥たちの安息地となっています。人の手が最小限にとどめられた自然環境のなかで、海と陸の境界にある水辺は、生と死を静かに循環させながら、かすかな呼吸を続けているように感じられました。
この場所で過ごすうち、特に印象的だったのは、水辺に横たわる枯草に差し込む光でした。それはまるで、役目を終えた過去が現在にも微かな痕跡を残しているようで、私はその光に導かれるようにして夢中で撮影を重ねました。
サイアノタイプによる太陽光での焼き付けという行為は、光の軌跡を物理的な時間として定着させるものです。そのプロセスは、現在の自分とこの土地の記憶、そして水辺が内包する時間の層を結びつける行為でもあります。

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