Painting

 

 

 

 

 

 

ヒトはどうして、自分と同じ(ように見える)ものを好み、良しとするのか。違いを恐れ、排除しようとするのか。誰一人として、同じ人生を歩み、同じことを考える人はいないのに。私が「形」に興味を持った20歳の頃はそんなことばかり考えていた。他者から浴びせられる偏見や同調圧力に嫌気がさしていた頃だった。

同時期、自然の作用によって形成され丸みを帯びる石が、人の対人社会における自己形成に重なるように感じ、石をモチーフにした絵を描き始めた。3回生までは石それぞれの形を多角的に観察、分析し、実際に石にグリッドを照射したものをドローイングしたり、石にできる影の形を抽出し、石の模様、輪郭の要素を合わせて構成した制作を行なってきて、一年前からは流動的な集合体としての石の表現を探求している。

現在は2020年3月以来コロナ禍で実感した、人間社会における接続の分断を石に投影し、離れること(移動と分断)を意識した絵作りを試みた。これまでの「稜線の線」による表現に加え、唐突に途切れ、偶然(或いは意図的に)繋がる図の揺らぎを意識することで、より流動的で複雑な画面作りに挑戦している。